どんな”家”を建てますか?

人生って、本当に「選択」の連続だなあと思います。

日本で暮らしていると、周りの人が決めてくれて、それに従うだけでいいことも多いし、周りに合わせることが美徳でもあるので、あまり自分で考えて判断しない方がいいときも多いですが、欧米社会では、そうはいきません。

オーストラリアで暮らし始めたころ、誰かの家に行くたびに、何を飲みたいか訊かれ、「何でもいい」と答えたら、「何でもいいってことはないでしょ?何がいいか言ってちょうだい」みたいに言われることもあって、それだけでも、文化の違いを感じました。

子供の頃から自分の意見をはっきり言う方だった私でさえ、自分が何をしたいのか、どうしたいのか、どういう意見なのか・・・・と、訊かれるたびに、「自分の考え」についてあまり考えずに大人になってしまった自分に気づかされました。

自分たちで家をデザインして建てたときには、大変なストレスでした。木材の種類や太さ、家の屋根や壁の色、天上の高さ、窓の大きさ・・・とにかくすべてのことを自分たちで選んで決めなければならなかったんです。オーストラリアでは、家のリフォームや建築が離婚の大きな原因のひとつと言われていますが、それがよくわかります。

「こういう家に住みたい」という夢があって、その夢に合った家をデザインしたわけですが、建つまでの苦労は想像を絶するものでした(当時もっとお金があれば、建築会社に頼んだかも)。ああいう経験は一生に一度でいいし、他の人にあんまりお勧めできません。でも、「あの苦労があったからこそ今の暮らしがある」と思うと後悔はないし、「自分たちの力でここまでできた」という大きな自信になりました。

少し話がズレてしまいましたが・・・自分らしく生きるためには、まず自分が何を望んでいるかを知らなければならないし、どんな暮らしをしたいかというイメージが必要です。それは、将来住みたい家の設計図を描くのに似ています。そして、その実現に向かって、毎日の生活の中で、様々な選択をしていく・・・・その積み重ねをしているうちに、気づいたら自分の望む暮らしができていた、という風になります。

すべては、自分が何を望んでいるか、何をしたいのか、ということを知ることから始まります。