自己開示:突然のがんの告知

今回は、私が皮膚癌だと告知されたときのお話をします。

人生には何度か大きな転機が訪れると言われていますが、私の場合には、78年おきぐらいに、それまでの習慣や癖を変えたり、人生の方向転換をしなければならないような経験をしてきました。

ちょうど50歳の誕生日を迎えようとしていたときに受けた皮膚癌の告知もそのひとつです。

実は、その数年前から目の下のイボが少しずつ大きくなってきていたのですが、老化現象だから仕方がないと思って、まったく気にしていませんでした。でも、オーストラリアは紫外線が強くて皮膚癌が多いので、夫と息子の体にいっぱいあるホクロやシミが皮膚癌かもしれないと心配して、嫌がる二人を皮膚癌検診のクリニックに連れて行ったんです。私自身は「せっかく来たのだから」と、軽い気持ちで検査してもらったのですが、なんと、夫と息子は大丈夫だったのに、私が皮膚癌・・・

医者から「皮膚癌です。すぐに手術しなさい」と冷たい言葉で言われたときには、頭の中が「え???なんで私???」となり、ショックと言うより、それが現実だとは受け入れられない不思議な気持ちでした。

幸い、転移するタイプではなかったのですが、皮膚の表面だけでなくて、皮膚の下の筋肉や神経にも広がる悪性腫瘍と診断され、皮膚癌専門の外科医からは、「視神経の方に広がると失明するかもしれないからすぐに手術しましょう。大きくこれぐらい周りを切って、これぐらい深くえぐるので、最低12針は縫うことになります」と言われました。

手術日は1か月後に決まったのですが、「できることなら12針も縫う手術は避けたい」と思い、「1か月間自然療法などを試して、効果が少しでもあったら手術を延期してもらおう」と考え、食習慣を変えたり、仕事のストレスを減らす工夫をしたり、自分を責める癖を直したり、エナジーヒーリングのテクニックを習ったり、神仏に祈ったり・・・と、とにかくできる限りのことをやりました。

そして、結局手術しないまま、皮膚癌は(たぶん)治り、今に至っています。

私の皮膚癌は、命にかかわる癌ではなかったので、焦らずに対処することができましたが、余命宣告を受けるのは、本当にショックだと思います。56歳で亡くなった叔母は、体調不良に何年も前から気づいていたのに、痛み止めの薬を飲んでごまかしながら忙しく働き続けていたために、癌だとわかったときには余命半年でした。亡くなる前、「もっと早くに気づいていれば・・・」と、悔やんでいたそうです。

もし心と体のSOSを少しでも感じるなら、もし今の食習慣や生活習慣で体によくないとわかっていることがあるなら、病気になる前に、健康的な習慣を身につけましょう。
精神的なストレスやネガティブな思いや感情が体の病気の根本原因であることが多いので、ストレスや不安などを減らす習慣づくりにも、励んでいただけたらと思います。

そして何より、一日一生の気持ちで、一日一日の時間を大切にして、小さな幸せをたくさん発見して生きていきましょうね。